原子力安全規制の業務内容

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原子力防災

原子力発電所の火災防護
火災に対して原子力発電所の設計上考慮すべき内容については、原子力安全委員会の発電用軽水型原子炉施設に関する安全設計審査指針において、「原子炉施設は、火災発生防止、 火災検知及び消火並びに火災の影響の軽減の3方策を適切に組み合わせて、火災により原子炉施設の安全性を損なうことなない設計であること。」と定められています。 すなわち、火災によって安全上重要な機能(止める、冷やす、閉じ込める)に影響を与えないこと、火災による放射性物質の放出を防止することを確保することが原子力発電所の火災防護の目的です。   
さらに、当該指針を受けて、原子力安全委員会は発電用軽水型原子炉施設の安全機能維持の観点から、火災防護に関し考慮すべき事項を火災防護審査指針に取りまとめています。

    発電用軽水型原子炉施設の火災防護に関する審査指針

    (昭和55年11月6日 原子力安全委員会決定)(抜粋)

    3.火災防護に関する審査指針

     火災により原子炉施設の安全性が損なわれることを防止するためには、安全機能の重要度に応じて、以下の火災発生防止、火災検知及び消火並びに火災の影響の軽減の3方策を適切に組み合わせた措置を講じること。

  • (解説)

     本指針は、原子炉施設における火災防護の見地から、火災発生防止、火災検知及び消火並びに火災の影響の軽減の3方策を組み合わせて、原子炉施設の安全性を確保する基本的な設計方針を審査する際に、考慮すべき事項を示したものである。

     火災発生防止の対策を施してもなお、火災の発生を想定するものであるが、他の異常状態と同時に無関係な火災が発生することは仮定しなくてもよい。

     ただし、大規模な地震(発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針(平成18年9月19日原子力安全委員会決定。以下「耐震設計審査指針」という。)に基づき策定する基準地震動Ss をいう。以下同じ。)等の苛酷な自然現象が発生した場合には、1-3の措置を講じることにより、重要度の特に高い構築物、系統及び機器で火災が発生する可能性は十分に低減されると考えられるが、火災防護に関する計画の策定に当たっては、原子炉の基数を考慮した上で、同一発電所内の無関係な複数の箇所で同時に火災が発生する可能性があることに留意しなければならない。

     また、想定される火災は、原子炉施設の設計の妥当性を評価する観点から安全評価上考慮すべき火災(例えば、油等の引火性材料の火災、又は電気機器及び電気ケーブルの火災等をいう。)とし、その態様は存在する可燃性材料及び発火源の種類、量及び性質を考慮するものとする。

これらを踏まえ、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(以下「炉規制法」という。)や電気事業法に基づき、原子力の安全の観点から具体的な規制がなされている。
原子力施設(原子力発電所)の火災防護の枠組み(平成21年現在)


炉規制法では実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則(以下「実用炉規則」という。)第16条及び第11条の3に基づき、 初期消火体制の整備に関する保安規定などのソフト面の規制を行っている

    ソフト面の基準 <実用炉規則>

    (初期消火活動のための体制の整備)

    第十一条の三 法第三十五条第一項の規定により、原子炉設置者は、原子炉施設を設置した工場又は事業所において火災が発生した場合における消防吏員への通報、消火又は延焼の防止その他消防隊が火災の現場に到着するまでに行う活動(以下「初期消火活動」という。)のための体制の整備に関し、次の各号に掲げる措置を講じなければならない。ただし、法第四十三条の三の二第二項の認可を受けた場合は、この限りでない。

    一 火災の発生を消防吏員に確実に通報するために必要な設備を設置すること。

    二 初期消火活動を行うために必要な要員を配置すること。

    三 初期消火活動を行うために必要な化学消防自動車、泡消火薬剤その他資機材を備え付けること。

    四 前各号に掲げるもののほか、初期消火活動を行うために必要な体制を整備すること。

    五 前各号の措置について定期的に評価を行うとともに、評価の結果に基づき必要な措置を講ずること。

    (保安規定)

    第十六条 法第三十七条第一項の規定による保安規定の認可を受けようとする者は、認可を受けようとする工場又は事業所ごとに、次の各号に掲げる事項について保安規定を定め、これを記載した申請書を提出しなければならない。

    一~十七(略)

    十八 初期消火活動のための体制の整備に関すること。 (以下略)

一方、電気事業法は、火災による損傷の防止に関するハード面(設計面)の規制を行っています。具体的には発電用原子力設備に関する技術基準を定める省令第4条の2に「火災による損傷の防止」が規定されており、 当該技術基準を満足するための例示として、社団法人日本電気協会の定める民間規格(JEAG4607-1999)の一部について原子力安全・保安院による技術評価がなされています。

    ハード面の基準

    (火災による損傷の防止)

    第四条の二 原子炉施設又は蒸気タービン若しくはその附属設備には、火災により原子炉の安全性が損なわれないよう、次の各号に掲げる措置を適切に組み合わせた措置を講じなければならない。

    一 火災の発生を防止するため、次の措置を講じること。

     イ 発火性又は引火性の物質を内包する系統の漏えい防止その他の措置を講じること。

     ロ ケーブル、原子炉制御室その他原子炉の附属設備にあつては、可燃性物質の量等に応じて、不燃材料又は難燃材料を使用すること。

     ハ 落雷その他の自然現象による火災発生を防止するための避雷設備等を施設すること。

     ニ 水素の供給設備等にあつては、水素の燃焼が起きた場合においても原子炉の安全性を損なわないよう施設すること。

     ホ 放射線分解により発生し、蓄積した水素の急速な燃焼によつて、原子炉の安全性を損なうおそれがある場合には、水素の蓄積を防止する措置を講じること。

    二 火災の検出及び消火のため、次の措置を講じること。

     イ 早期に消火を行える検出設備及び消火設備を施設すること。

     ロ イに定める検出設備及び消火設備は、火災と同時に発生すると想定される自然現象により、その能力が損なわれることがないこと。

    三 火災の影響を軽減するため、防火壁の設置その他の措置を講じること。

     2 前項第二号イに規定する検出設備及び消火設備は、故障、損壊、誤作動等により安全設備の機能を損なわないものでなければならない。

関連項目

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