中部近畿産業保安監督部近畿支部 > 電力安全  > 平成19年度火力・水力発電所の事故状況について

平成19年度火力・水力発電所の事故状況について

中部近畿産業保安監督部近畿支部
電力安全課 

Tel 06-6966-6047〜48(直通)
 

 
 管内の火力発電所及び水力発電所において、電気関係報告規則第3条の規定により報告のあった事故のうち、平成19年度に発生したものは以下のとおりでした。

 【1】火力発電所 (主要電気工作物の破損事故11件)

事故発生

電気工作物

(発生箇所)

電気工作物の概要 事 故 状 況 原 因 再発防止対策等
ボイラー 一次高温過熱器管

運転中、ボイラー炉内圧力の変動及び給水量と主蒸気量の差が適正値を逸脱した状況となったことから、現場点検を行ったところ、一次高温過熱器付近で蒸気漏れ音を確認したため、運転を停止した。内部点検の結果、一次高温過熱器管の破孔を確認した。

スートブロワの噴射蒸気が一次高温過熱器管に直接当たることで、管表面が摩耗、減肉し破孔に至ったものと推定 ・破孔管及び近傍減肉管の短管切替、肉盛補修
・スートブロワが影響すると考えられる範囲の一次高温過熱器管に対し、肉厚測定を実施(必要に応じてプロテクターを取付)するとともに、スートブロワ実施回数・運用方法を見直し
・破孔管のサンプル分析結果によって、他対策も検討
ボイラー 節炭器管 運転中、給水量と蒸発量の差が適正値を逸脱した状況になったことから、現場点検を行ったところ、一次低温過熱器と節炭器付近で蒸気漏れ音を確認し、運転を停止した。内部点検の結果、節炭器管の破孔を確認した。 スートブロワの噴射蒸気のドレンとガスの偏流によるものと推定 ・破孔した部位にプロテクターの取付(同形状の部位にもプロテクターの取付を実施)
・スートブロワ実施回数・運用方法を見直し
・破孔管のサンプル分析結果によって、他対策も検討
ボイラー 二次過熱器吊り下げ管及び二次過熱器管 運転中、給水量と蒸発量の差が通常より越える状況となり、現場点検した結果、一次高温過熱器付近で蒸気漏れらしき音を確認し、運転を停止した。点検の結果、二次過熱器吊り下げ管の破孔を確認した。 運転中の熱伸び及び拘束の影響により、ダミー官が吊り下げ管の中心からずれてスートブロワの噴射蒸気が直接吊り下げ管に当たり減肉、破孔に至ったと推定。
二次過熱器管は吊り下げ管破孔による二次損傷と推定。
検討中
ボイラー 側壁水管 「ボイラードラム下限」の警報他が発生し、ボイラー廻りを点検したところ、炉壁ケーシングより水漏れを確認。「タービン蒸気圧力低下」の警報が発生し、タービンがトリップ。ボイラーを停止した。内部点検の結果、ボイラー側壁水管の破孔を確認した。 1炉あたり10基あるスートブロワの内の一つの元弁から漏れ出た蒸気がスートブロワの筒内においてドレン化、運転の開始毎にドレンアタックが繰り返し発生し、経常的に水管の減肉が進行していたと推定。 ・破孔管及び近傍減肉管の取替
・今後、同様の部位にて蒸気漏洩の可能性がある水管については、詳細点検を実施
ボイラー ガス混合通風機 320MWで運転中にA−GIF軸受部から火災発生、運転を停止した。 A−GIF軸受給油弁の調整不良(弁開度過多)により、当該通風機潤滑油ポンプが定期切り替えに伴う2台運転となった際に、当該軸受への給油量が排油能力を超過し、軸受の軸貫通部より漏油した。
さらに、漏れた潤滑油が当該通風機の高温部に接触し、発火に至った。
・当該設備の各軸受油量の調整を実施
・軸受給油弁へ調整開度及び操作厳禁を明示した注意札を取付
ボイラー 給水ポンプ 220MWで運転中、中央制御室にて異臭を確認、A−BFPT軸受(第1)付近にて発火を確認したため、消火を実施した。 油タンク排気ファン出口に設置しているフィルターの経年的な詰まりにより、排気が阻害され、軸受油切り部で真空状態を保ちにくくなり、微量の油が徐々に流出した。この油が油切り部を覆って施工されていた保温材に付着、浸透し、Aボイラー給水ポンプ駆動用蒸気タービンケーシング等の高温部に触れ、ガス化し、発火に至った。 ・油タンク真空度を標準値内に調整するとともに、油タンク器内圧力計に標準値を明示
・フィルターの点検清掃基準を明確化
・保温材が油切り部を覆わないよう再施工するとともに、金属(板金)のカバーを設置
ガスタービン タービン内部シール部分 運転中、「主軸振動大タービン側(1段)」警報が発報したが、すぐに解除。翌日の起動後、定格出力にて「排気温度高」警報が発報したため、当日は出力を制限の上、運転を継続したが、同日夜の停止(計画停止)を待ってボアスコープ点検を実施するも異常は発見されず。
しかしながら、再起動後においても排気温度の上昇傾向が収まらないため、更に出力を抑制してみたが、やはり内部冷却系統に問題を生じている可能性が高く、これ以上の運転継続は不可能であると判断し、運転を停止した。
点検の結果、タービン内部シール部品等の破損を確認した。
シールリングは組み立て時に必要隙間が確保されていることを確認し、調整が必要であるが、口頭指示となっていたために隙間確認作業が不十分となり、これが原因で運転中の熱膨張によりシールリング自身が突っ張り、変形して溝からはみ出した結果、ノズルシール(ラビリンス、ハニカム)に接触(破損)し、飛散部品がタービンロータ(ディスク)に損傷を与えたものと推定される。 運転中の熱膨張によるシール部品の突っ張り、変形等を想定したすきまの管理・調整基準を定め、「作業基準」に明記するとともに、当該部品取替等の際には、これに従い作業を実施
ボイラー 二次過熱器管 運転中、2段RHメタル温度高の警報があったため、ボイラー周囲を点検。補給水量の増加を確認した。蒸気漏洩音を認め、ボイラー管漏洩の疑いが認められたことから、ボイラーを解列した。内部点検を実施したところ、最終過熱器管が破断し、周辺隣接管も損傷していた。 管内面の水蒸気酸化スケールが剥離・堆積したことにより、管内上記の流れを阻害し管を過熱させ、噴破に至ったものと推定される。 ・最終過熱器損傷管の取替及び周辺隣接管の修繕を実施
・最終過熱器管入口・出口ベンド部全数の放射線透過試験を実施し、スケール堆積の多いベンド管については、管切断の上、スケール除去を実施
・最終過熱器管ベンド管のスケール堆積量調査について、頻度及び範囲を見直し、管理強化を図る
ボイラー 前壁管寄せスタブ管 年末に増加するゴミを処理すべくボイラーの立ち上げ作業を行い、ゴミ投入を開始した直後にボイラー前壁管寄せ付近から水漏れが発見され、運転を停止した。点検の結果、前壁管寄せスタブ管の破孔を確認した。 前壁水管、側壁水管、ホッパーケーシングの異なる要素が結合されているコーナー部であるため、立ち上げ時の温度上昇速度の違いや定常運転時での温度差などにより、均一に熱膨張することが出来ず、当該箇所に相当な応力が働いており、これが永年の運転で繰り返された疲労による破壊と推定される。 ・自主検査時において浸透探傷試験を行い、1年に1回亀裂の有無を確認
・各部の温度差の緩和、応力の分散が出来る構造を検討し、可能なものから実施
ボイラー 火炉蒸発管 運転中、ボイラー炉内圧力が変動し、火炉温度及び蒸気温度が低下したため緊急停止した。点検の結果、火炉蒸発器前壁上部管寄せ付近にてボイラーチューブの破損を確認した。 火炉上部管寄せ上部のエア抜き配管が屋外デッキへと通ずる部分に腐食による穴あきがあり、この穴あき部分から雨水が浸入したことで、外部腐食により減肉し、運転中の圧力によって破断に至ったと推定。 ・破損したチューブの交換並びに薄肉チューブの交換及び肉盛り補修を行うとともに、雨水浸入部の補修を実施
・類似の雨水浸入の可能性のある管寄せについて順次点検を実施
発電機 発電機 発電機運転中、「発電機界磁喪失」にてタービンがトリップした。点検の結果、発電機の回転子界磁巻き線のK側リード線の溶損と軸の曲がり、軸受の損傷、励磁機損傷、PMG破損が確認された。 発電機の回転子界磁巻線のK側リード線の接続部において、何らかの原因で接触不良または亀裂が発生し、発熱により溶損して磁極アンバランスとなり各破損・破損に至ったと推定。 巻線及び内部リード線を更新するとともに、リード線の接続箇所を少なくし、渡り線とリード線の接続部の応力集中を緩和する対策を実施

  【2】水力発電所(主要電気工作物の破損事故1件(速報のみ))

事故発生

電気工作物

(発生箇所)

電気工作物の概要 事故状況 原因 再発防止対策等
導水路 導水路 第一導水路入口付近で水が溢れていると連絡を受けたため、取水を停止した。内部点検を実施した結果、導水路(無巻部)で落盤を発見した。  −  −
 

 【お問い合わせ先】

  中部近畿産業保安監督部近畿支部 電力安全課 
    <住所> 〒540-8535 大阪市中央区大手前1−5−44
    <TEL> 
06-6966-6047〜48(直通)
    <FAX>  06-6966-6092    

Copyright (C) 2005 KINKI Ind.Safety All rights reserved.