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平成19年度電気工事業立入検査結果について

中部近畿産業保安監督部近畿支部
電力安全課 技術係
 
TEL  06-6966-6048 (直通)

最終更新日:平成20年7月9日

 電気工事業の業務の適正化に関する法律(以下電気工事業法)第29条第1項の規定に基づき、平成19年度に電気工事業者に対して実施した立入検査の結果についてお知らせします。
 
  Index
 
1.立入検査の概要について(ページ内移動)
2.検査結果について(ページ内移動)
3.まとめ(ページ内移動)

1.立入検査の概要について

1.検査対象について
 
 大臣登録及び大臣届出の電気工事業者で当支部管内に営業所をおく電気工事業者より9者(【原子力安全・保安院】みなし登録電気工事業者: 9者)を選定しました。
 
2.検査対象期間
 
平成19年4月〜平成20年3月
 
3.検査事項
 
(1) 登録、届出、通知により手続が行われているものと一致しているか(法第4条他)
(2) 主任電気工事士が行う一般用電気工事に係る作業管理が十分であるか(法第20条
(3) 電気工事士等でない者を電気工事の作業に従事させていないか(法第21条
(4) 請け負った電気工事を当該電気工事業を営む電気工事業者でない者に請け負わせていないか(法第22条
(5) 電気用品安全法による表示の付されていない電気用品を電気工事に使用していないか(法第23条
(6) 絶縁抵抗計その他の経済産業省令で定められた器具を備えているか(法第24条
(7) 標識の掲示の有無又は記載事項に誤りはないか(法第25条
(8) 帳簿の有無又は記載事項に誤りはないか、保存期間が守られているか(法第26条
 

2.検査結果について

〔1〕違反事項について
 
 被検査業者9者すべてで電気工事業法違反が認められたので、改善を指示しました。違反事項及び違反件数は以下のとおりです。
 
(1) 登録、届出、通知により手続が行われているものと一致しているか(法第4条他) 0件
(2) 主任電気工事士が行う一般用電気工事に係る作業管理が十分であるか(法第20条) 8件
(3) 電気工事士等でない者を電気工事の作業に従事させていないか(法第21条) 9件
(4) 請け負った電気工事を当該電気工事業を営む電気工事業者でない者に請け負わせて いないか(法第22条) 9件
(5) 電気用品安全法による表示の付されていない電気用品を電気工事に使用していないか(法第23条) 0件
(6) 絶縁抵抗計その他の経済産業省令で定められた器具を備えているか(法第24条) 1件
(7) 標識の掲示の有無又は記載事項に誤りはないか(法第25条) 0件
(8) 帳簿の有無又は記載事項に誤りはないか、保存期間が守られているか(法第26条) 9件
 
〔2.各評〕
 
(1)について
 平成19年度は違反事例はありませんでした。
 登録電気工事業者の場合は法第4条第1項、みなし登録電気工事業者(建設業者)の場合は同法施行規則第24条に規定する事項を変更したときは、変更届を提出しなければなりません。
 みなし登録電気工事業者の場合は、5年ごとに建設業の許可番号が変更になるので、最低でも5年に1回は変更届を提出することになります。
 また、当初は一般用電気工作物の工事だけであったが、自家用電気工作物の工事もするにあたって無届けの事例がありました。電気工事の種類が変わった場合も、変更届が必要です。
 
(2)について
 主任電気工事士が自身の職務(特に自ら配線図の作成、変更に関与しない場合のチェック)を把握していない事例がありました。
 一般用電気工作物の工事を行う営業所については各営業所ごとに主任電気工事士の設置が義務づけられており、一般用電気工事による危険及び傷害が発生しないように作業の管理を行わなければなりません。 また、営業所間や異なる電気工事業者での兼務は認められていません。
 なお、一般用電気工事の作業に従事する者は、主任電気工事士の指示に従わなければなりません。
 
主任電気工事士の職務
(1) 配線図の作成及び変更、これに関与しない場合はそのチェックをすること
(2) 一般用電気工作物が本法及び電気関係法規に違反しないように管理すること。
イ. 法第21条の規定により電気工事士でない者が電気工事の作業に従事していないことの監視
ロ. 法第23条の規定により表示のない電気用品の使用の監視
ハ. 法第27条の第1項及び第2項の規定により危険等防止命令を受けた場合のその遵守義務
ニ. 電気設備の技術基準の適合性等電気関係法規の遵守
(3) 法第29条第1項の規定により立入検査を受ける場合の立ち会い
(4) 一般用電気工事の検査結果の確認
(5) 法第26条に定める帳簿の記載上の管理監督
(6) その他一般用電気工事に関する一般的な管理監督
 
(3)について
 違反の詳細は、自家用電気工作物の低圧部分の工事を第二種電気工事士が行っていた事例です。第二種電気工事士が行うことができるのは一般用電気工事のみで、たとえ低圧工事であっても、自家用電気工作物であれば第一種電気工事士または認定電気工事従事 者でなければ電気工事の作業に従事できません (表1:「電気工事業法及び電気工事士法における電気工作物と資格について」参考)。
 例えば、マンション新築現場において、請負当初は共用部分が自家用電気工作物、各戸は借室電気室による一般用電気工作物であったが、オーナーの都合により全戸が自家用電気工作物となったにもかかわらず、認定電気工事従事者の資格を持たない第二種電気工事士が作業を行っていた事例がありますので、ご注意下さい。
 第二種電気工事士免状を持っていれば、3年以上の実務経験または講習の受講で認定電気工事従事者認定証の交付申請が可能です(申請方法の詳細はこちらをクリックしてください。リンク先へ移動します)。
 
(表1:電気工事業法及び電気工事士法における電気工作物と資格について)
電気工事業法及び電気工事士法における電気工作物と資格について説明図
 
(4)について
 請負業者が電気工事業法の登録(届出)を しているかの確認はしていたが、電気工事の種類(一般用、自家用)の確認を行っていなかったため、請負業者が一般用のみ登録(届出)にもかかわらず自家用電気工作物の電気工事に従事していた事例が多くみられました。
 請負業者の管理は、電気工事業者の登録(届出)の有無の確認はもちろん、電気工事業の種類についても確認する必要があります。
 また、建設業の種類を「電気工事業」で許可を受けていても、電気工事業の開始届をしているかの確認も必要です。
 
(5)について
 この事項について違反事例はありませんでした。この事項に違反した場合、電気工事業法及び電気用品安全法の両罰規定の適用を受けますので御注意ください。
 
(6)について
 電気工事業者は、営業所ごとに電気工事の検査に必要な器具を備え付けなければなりません。器具は、絶縁抵抗計、接地抵抗計、抵抗及び交流電圧を測定できる回路計、低圧検電器(※)、高圧検電器(※)、継電器試験装置(※)、絶縁耐力試験装置(※)です。継電器試験装置、絶縁耐力試験装置については、使用頻度も少なく、高価であるため、同業者や組合との賃貸契約、または他の営業所(自社)から必要なときに使用し得る措置が講じられていれば、備え付けられていると判断することとしています。
 ※自家用電気工事を行う営業所のみ備え付けが必要(一般用電気工事しか行っていなければ不要です)。
 
(7)について
 平成19年度は違反事例がありませんでした。
 標識は、施行規則第12条に定める事項を記載した標識を営業所及び電気工事の施工場所ごとに掲示することが義務づけられています。施行場所には建設業の許可票だけでなく、電気工事業法の標識の掲示も必要です。ただし、電気工事が一日で完了する場合は、施行場所への掲示は 省略できます。
 
(8)について
・違反事例では、主に「電気工事の種類」、「主任電気工事士等及び作業者の氏名」、「配線図」及び「検査結果」について、営業所として保管されていないものが多く見られました。
・帳簿類については、現場担当者が持ち歩いている、現場担当者が保管しているなどの理由で、帳簿が何処にあるのか不明だった例や、営業所の保管スペースが無いために、他の営業所に保管されていた例がありました。
・「主任電気工事士等及び作業者の氏名」については、作業者名簿をゼネコンに提出しており営業所に写しを保管されていない例がありました。
・また、上記事項を確認できる帳簿類が全く保存されていない例や、保存期間が守られていない例がありました。
・また多くの業者でISO9000の認証を受けていましたが、各社とも品質マニュアルの内容と電気工事業法の法的要件が一致していない状況にあり前述の一般用電気工事の作業管理における主任電気工事士の責任が明確化されていなかったり、作業者や下請けの電気工事業者の管理方法についても、不十分であったり。また本項の帳簿類についても、保管すべき書類やその方法、保存期間等が不整合でした。

 カード式、伝票式、電子媒体など帳簿の体裁は問いませんが、施行規則第13条第1項に規定された事項を記載し、営業所ごとに5年間備え付けられなければなりません。同項第四号の「主任電気工事士等および作業者の氏名」 についてですが、下請に出した場合、下請業者名だけでなく実際の作業者の氏名が必要です。

 
3.まとめ
 被検査業者9者全社について何らかの法令違反を指摘しましたが、これは電気工事業者の電気工事士法、電気工事業法に対する認識が不足していた結果と思われます。
 特に、必要な資格(電気工事士法)の認識違い等による無資格工事、電気工事の種類が未確認だったことから無届け業者に請け負わせていた等、重大な違反がありました。
 これらの違反については、竣工検査結果の確認等により詳細に安全性の確認を行いましたが、検査記録等で安全性の確認ができない物件については、再検査の実施を指導しました。 指導の結果、危険等防止命令(法第27条)を発するような粗雑な工事、また、電気用品安全法で定める表示が附されていない電気用品を使用した例などは見受けられず、工事に関しては概ね良好であったと思います。
 また、違反を指摘した業者については、期限内に改善計画書又は改善報告書が提出され、内容を審査したところ改善内容に特段支障のないのないことを確認しました。 
 安全かつ適正な電気工事の施工は、電気保安を確保する上で基本的かつ重要な事項です。今後とも安全な電気工事及び法令遵守に努めていただき、電力安全行政への御理解、御協力を賜りますようよろしくお願いいたします。
 

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