新年明けましておめでとうございます。
旧年中は当支部の産業保安行政へのご理解とご協力を賜り、誠にありがとうございました。
さて、昨年は東日本大震災という未曾有の災害が発生しました。亡くなられた方々に謹んでお悔やみ申し上げますとともに、被災されました皆様方に心よりお見舞い申し上げます。
今回の災害はマグニチュード9.0と規模が非常に大きく、震度7を観測した地域もみられ、また、地震の揺れが長く続いたという特徴がありました。更に、大津波が発生したことにより広範にわたる地域及びその地域の施設・設備等が甚大な被害を受けました。
経済産業省原子力安全・保安院ではワーキング・グループ等を設け、所管する電気、ガス、鉱山などの各産業分野の施設・設備に係る耐震性や津波対策等を検討しており、本年3月までには各分野で報告書(案)がとりまとめられ、今後、具体的な対策が行われる予定です。皆様方におかれましても、これらの検討結果を踏まえた地震、津波対策への一層の取り組みをよろしくお願いいたします。
一方、昨年の近畿管内の事故の状況を振り返ってみますと、電力安全分野については、昨年9月、多大な被害を紀伊半島にもたらした台風12号の影響等があったことから残念ながら事故件数の減少は見られませんでした。しかしながら、毎年事故件数が多い8月の電気使用安全月間中の感電事故件数については平成21年の6件、平成22年の5件に比べ昨年は2件と減少するとともに、感電死亡事故は3年ぶりにゼロと喜ばしい結果となりました。毎年、官民挙げて電気使用安全月間キャンペーンを行っておりますが、キャンペーンを始めとする関係各位の地道なご努力がこういった結果に繋がったものと感謝しております。本年度も業界の皆様方と連携し、感電事故ゼロを目指して活動を行って参ります。
ガス関連分野では、業務用厨房施設でのCO中毒事故が依然として全国的に発生しています。当支部では事故再発防止のためリーフレットを作成し、食品関係の団体に対して配布し、広く注意喚起を行っていますが、引き続き需要家への効果的な啓発を行って参ります。また、管内のガス分野での事故原因を見ていきますと、消費者の不注意による事故が多く発生しています。その原因はガス機器の維持管理不良、誤操作等となっていますので関係者と連携して注意喚起を行って参ります。
LPガス分野では昨年4月から販売事業者、保安機関の法令違反に対して厳格な対応を行うこととしました。これまでの立入検査等では重大な法令違反はなかったものの、事故発生件数については横ばいの状況です。引き続き、法令違反に対しては厳格な対応を行うとともに事故防止のための安全意識の向上やコンプライアンスの徹底等各事業者の自主保安の高度化を推進して参ります。
高圧ガス分野、火薬類分野については各府県との連携を通じて、また、コンビナート地区での異常現象については各府県や各地区の協議会等との連携を通じて災害防止へ取り組んで参ります。
鉱山保安分野では、近年、全国に比べ管内鉱山での災害が多く(度数率が高く)、その原因は本人の不注意と不十分なリスクアセスメントになっていたことから、鉱業関係団体と連携して保安活動の実態を調査し、その結果をもとに各地域の鉱山保安部会において議論・情報交換をするなど、保安活動の強化のための活動を進めております。また、立入検査時の監査や鉱業権者に対するトップヒアリング等の実施により、保安活動の推進を促すことによってリスクマネジメントの定着を図って参ります。
最近の事故や災害の状況を見てみますと、その原因としてヒューマンエラーが多くなっている印象があります。例えば、電力安全分野の感電事故の分析では、電気保安従事者本人が誤って充電部に接触したケースや、防保護具の未着用など本人のミス・過失によるものが多く見受けられます。基本動作や作業手順が守られていないことが原因となっており、何れも基本の部分が守られていれば問題は起きなかったものが多数あります。また、ベテラン工事作業者の事故も増えており、平成22年度の電気分野の感電事故の全体8件のうち経験年数11年以上の工事作業者の事故が6件、そのうち経験年数が21年を超えるベテラン工事作業者の事故が2件発生しています。仕事に対する「慣れ」は必要ですが、同じ業務を長く続けることによる「緊張感の欠如」が起きないよう常に意識していただきたいと思います。
産業保安の基本は事業者の自主保安です。各事業者の皆様におかれましては普段から、自社におけるルールの確認、課題の抽出、改善に取り組んでいただき、更なる保安意識の高揚が図られますようご尽力をお願いいたします。
最後になりますが、本年も産業保安行政へのご理解ご協力を賜りますとともに、皆様のご多幸、ご健勝とご安全を祈念して新年のご挨拶とさせていただきます。