年 頭 所 感

関東東北産業保安監督部東北支部長
中 村  仁

 平成24年の年頭にあたり謹んで御挨拶申し上げます。  旧年中、産業保安行政に格別の御理解と御協力を賜りましたことに厚く御礼申し上げます。

 昨年3月11日に発生した東日本大震災は、東北・関東地方に甚大な被害をもたらし、多くの方々の尊い命が犠牲となりました。御挨拶にあたり改めて、お亡くなりになられた方の御冥福を心よりお祈りするとともに、被災された皆様に心より御見舞いを申し上げます。

 さて、昨年の管内における産業保安の状況を顧みますと、大震災関連の事案を抜きにすれば、大きな事故やトラブルも発生せず、総じて順調に推移した一年であったと思っております。 これは、偏に関係の皆様方の保安確保に対する御尽力の賜と認識しているところで、改めて御礼申し上げる次第です。
 しかしながら、大震災の発生を背景として、国民の安全と安心の確保がこれまでにも増して重視されてきている中、関東東北産業保安監督部東北支部といたしましては、原子力安全・保安院が掲げる4つの行動規範の“強い使命感”、“科学的・合理的な判断”、“業務執行の透明性”及び“中立性・公正性”を改めて肝に銘じて、産業保安の確保、向上とそれを通じた国民の安全確保に本年も引き続き全力で取り組んでまいります。

 当支部の業務毎の取り組みについて申し上げますと、電気保安分野では、電気事故発生件数が、横ばい傾向にあり根絶するには至っていないことから、原因の究明と再発防止対策の更なる徹底とともに、関係事業者に対する最新の保安情報の提供などにより、類似事故の未然防止に取り組んでまいります。
 また、昨年末には電気保安法人が受託した保安管理業務における不適切な業務に対して厳重注意を行ったところですが、このようなコンプライアンスに係る問題は、最近の国民の安全・安心意識の高まりを損ねることからも、法令遵守への取り組みが徹底されるよう、引き続き機動的な立入検査等によりフォローアップを図ってまいることとしております。

 都市ガス及びLPガスの保安については、特に震災被災地の仮設住宅等における換気不足によるCO中毒事故の発生や、復旧・復興作業に伴う他工事事故の発生が懸念されることから、ガスを供給・販売する事業者に対し巡回や周知活動により事故防止に努めるよう指導してまいります。
 また、ガス導管の経年劣化対策及び地震対策として、経年導管のPE管等への早期入替について、引き続き取り組んでまいります。加えて、業務用厨房におけるCO中毒事故防止のための適切な換気とCO警報器の設置促進や、昨年多発した雪害によるガス漏えい事故の防止対策の実施も重要と考えており、これらについても、関係者との会議や立入検査等の機会を通じて啓発してまいる所存です。

 コンビナート及び高圧ガス並びに火薬類の保安については、一旦事故が発生すれば、重大な事故となりかねないとの認識を再確認の上で、震災の教訓を踏まえた耐震対策や経年設備の適切な維持管理による事故防止などに取り組むとともに、基本事項を遵守し事故防止に努めることなどについて指導してまいります。

 鉱山の災害防止については、「死亡災害、重篤災害を無くす」、「同じ鉱山で5年間で複数の災害を起こさない」という安全レベルに対する目標の達成に向けて、より効果的な監督・指導を推進してまいります。
 具体的には、各鉱山の現況調査から保安規程への反映・見直しに至る一連の自主保安(リスクマネジメント)の仕組みを定着促進させるために、保安検査を通じて個々の鉱山の実情に応じた監督・指導を行うとともに、仮に管内で災害が発生した場合の特別検査による災害原因分析や保安確保措置の評価、全国で発生した鉱山災害の情報提供などにより、鉱山災害の撲滅に取り組んでまいります。

 鉱害防止については、昨年に引き続き効果的・効率的な立入検査を実施することにより鉱害の未然防止に取り組むとともに、仮に鉱害事案が発生した場合には特別検査等を行い原因の究明及び再発の防止に取り組んでまいります。
 また、東日本大震災により、複数の鉱山集積場において鉱さいの流出事故が発生したことから、現在、原子力安全・保安院において有識者により技術指針の見直しについて検討がされているところですが、管内鉱山集積場において流出があったことからも、その結論を踏まえて適切に対処してまいります。

 休廃止鉱山対策については、昨年は延べ38鉱山に対して坑廃水処理、廃止石油坑井封鎖等に必要な補助金を交付し、鉱害防止・危害防止事業を実施しておりますが、本年も引き続き着実に推進してまいります。
 なお、現行の休廃止鉱山の鉱害防止事業については、金属鉱業等鉱害対策特別措置法に基づく第4次基本方針に従い計画的に実施しているところですが、同基本方針が平成24年度までとなっていることから、昨年は次期基本方針の策定に向け、休廃止鉱山鉱害防止対策研究会東北ブロック会議を開催し、鉱山毎に鉱害防止事業のレビューを行うとともに、中長期的な国民の経済的負担を極小化する方策等を検討してまいりました。本年は、事業実施主体並びに関係各所の意見等を反映しつつ、最終の取りまとめ作業を行い、次期基本方針の策定を進めてまいります。

 以上、本年も国民の求める安全・安心に対するニーズに応えるべく、産業保安行政の着実な実施に向け職員一丸となって全力で取り組んでまいりますので、引き続き御理解と御協力を賜りますようお願いいたします。

 最後になりますが、平成24年が皆様にとって良い年となりますことを祈念して、新年の御挨拶とさせていただきます。本年も「ご安全に!」

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